「もしあのとき、あの人に連絡を返していたら、あの人と結婚していたかもしれない」

そんなの経験をしている人はたくさんいると思います。

人生のあらゆる場面で、紙一重で運命が決まるものですね。

M&Aの世界も紙一重で結果が分かれるケースというのは本当に多く、何が正解だったのかなんて誰にもわかりません。

「あのときのあの発言のおかげで、成立に決定的になった!」

「あのときあんな回答していなければ、成立していたかもしれない…」

ちょっとしたことがきっかけで成立した/しなかったケースというのも多いものですが、どんな結果になっても、振り返ってみると「紙一重だなぁ」と思います。

成約していても、していなくても、結果としては不思議ではない。そういう案件ばかりです。

ひとつ、多くの方々に大事にしてもらいたいなと思う点は、その紙一重の差で仮にM&Aが成立しなかったとはいえ、M&A成立=成功というわけではまったくありません。

お見送りやお断りも、双方にとって、そのときにたどり着いたベストな回答なんだと思います。

M&Aプレイヤーとして、M&Aの成約件数ノルマを課されている営業のひとりだとしたら、成立できなかったことについて「敗因はなんだ」と問われてしまうこともあるでしょう。

しかし、成立しなかったとしたら単に「その両社にとっての答えが、M&Aではなかった」というだけの話です。

もちろん、ときには「チャンスを逃してしまった」と悔いることもあるでしょう。

でも、そのとき紙一重で選んだ結論に対して、正解にしていくのはこれからの先の未来の自分でしかありません。

そう考えると、「M&Aはひとつの選択肢」と、目の前のチャンスを大きな懐で見ることができるかもしれませんね。

ときには「たとえお断りしても(もしくはお見送りされても)、きっと自分にとって正解なんだ」と少し距離を置いて見つめることが良かったりもします。

そんな風に、冷静に広い心で現実に起きる事象をとらえることができたほうが、どんな結果になっても前向きにとらえることができるのだと思います。